以前のレポートで阿嘉大橋を渡った先の慶留間島入口に、なにやら山方向へ道を作っていたことは報告しましたが、2019年の時点では完成。しかしその道。どう考えてもその先には「山」しかなく、わざわざ展望台を作るための道にしては大々的すぎるもの。さらに阿嘉大橋とは島の反対側にある慶留間集落へ行くためだとしても、わざわざ山の頂上を通らすの?って感じの謎の道でした。なので、とりあえず登って見ました^^ゞ
しかし物凄い後悔する羽目に・・・
慶留間島横断道、阿嘉大橋から慶留間集落へ

入口は阿嘉島から阿嘉大橋を渡り切った歩道が切れるところにあります。ちょうど防災用の掲示があるところなのでわかりやすいです。入口から見た限りはスロープのみなので、ついつい自転車だと奥まで行ってしまいたくなります。今回も自転車で行けるところまで行こうと「最初は」思いましたw

最初は緩やかなスロープで、散策には良い感じ。でも特に景色が見れるわけでもないので、先に進むしかないような道でした。

そして間もなくすると階段になります。それでも山側にスロープが少し残っているので、自転車を押して登れないこともありません。この道が山越えだとすると、自転車をここに置いておくと取りに戻らなければならないので、押して登るか迷いましたが、途中までで戻ることを想定していたので、自転車はここに置いておきました。

階段を登り始めてすぐに、「自転車押して登らなくてよかった」と思いました。階段脇のスロープはすぐになくなりましたし、階段の勾配もきつくなるばかり。しかしその階段、どこまで続くか全く先が見えないので、戻るに戻れない状態でした。

景色が開けそうな場所で振り返ってみると、そこにはなんと阿嘉大橋。まさか阿嘉大橋を上から望むことになるとは。どんだけ階段を登ったんだ!って感じです。阿嘉集落からニシ浜へ抜けるダムがある道よりも、景色が高いこの場所。しかしここはまだまだ「序盤」なのでした。

階段だったりスロープだったり、遊歩道の造りはまちまち。しかしいくら登っても先は見えません。案内もないし、そもそもどこへ抜けるかわからないので、引き返すタイミングを完全に逸してしまいました。振り返るとこの階段。もう先に進むしかありませんでした(階段は登るより降りる方が大変)。

途方に暮れる階段からの景色。なんとまぁ、ニシ浜先の座間味島や嘉比島まで見えているではないですか。阿嘉ビーチもこんなに高台から見ることもなかなかないレベル。しかしまだ頂上には至らず。まさに先が見えない登山なのでした。

先に何があるかわかりませんし、そもそもどこへ抜けるのかも分からない道だけに、不安になるばかり。もはや戻ることは不可能。登るしかありませんでした。すると初めて遊歩道以外のものが見えてきました!展望台?休憩所?こんな場所に何故?

ここまで満身創痍で登ってきましたが、休憩所は助かる?いやいや、ここまで登ってくる人、普通はいないでしょう(笑)。誰が使うのさ?この休憩所って感じです。まだできて間もないからいいけど、誰も使わないとなるとすぐに荒廃してそうです。建物などって、使わない方が老朽化が早いんですよね。

でも休憩所からの景色はなかなか。まぁこの景色を見るためにあの階段を登ってくる人はほとんどいないと思いますが。さらに目の前の阿嘉島の景色。ついに最高峰の中岳が視線の下に見えているような・・・どんだけ登らせるのか?この遊歩道。

しかし休憩所がある場所は頂上ではありません。この後も階段やスロープが続き、さらに景色が開けなくなるので、さらに不安になりました。でもここまでくると、この道は行き止まりではなく横断道と確信。同時に横断するのは良いけど、自転車を置いた場所まで戻らなければならないのが憂鬱でした。

そしてついに頂上っぽい場所に到達。登りしかなかった道が、よーやく平らになります。特に展望台とか頂上を記す表示などは何もありません(笑)。そしてその先には下り坂。さらにその先の景色は、慶留間島と繋がっている外地島ではなく、なんと渡嘉敷島!?どんだけ高台なのさ!って感じです。

下りっていうか頂上から慶留間集落側は全てスロープだったので、階段よりは楽でした。しかしこの時履いていた靴がなんと「マリンシューズ」。とても登山向きとは言えない代物で、下りも結構きつかったです。しかし渡嘉敷島の島影を見ながら下っていきます。

新しい遊歩道を少し下ると、すぐに旧道との接続ポイントが現れます。どうやらここまでは以前の道があり、そこに新しい道を接続したみたいです。

頂上から慶留間集落までは全てスロープで、景色も開ける場所が多く意外と快適。高台からは慶留間大橋やその先の外地島まで望めます。慶良間空港も一部見えていますね。しっかしどんだけ高台なんでしょうね。

旧道側は木陰もあっていい感じ。何より階段がないので歩きやすいです。ホント、阿嘉大橋側は階段だらけできつかった。

旧道側の途中にはゲートあり。阿嘉島にも中岳へ行く横断道途中に同じようなゲートがありますね。渡嘉敷島のようなハブ除けではなく、ケラマジマの生息域保護のためのものなのかな?(といってもケラマジマは現在いたるところで見ることができますが・・・)

そして慶留間集落入口まで下山。そこには「ケラマジマ生息地」なる石碑もあり、そこがこの横断道口って感じでわかりやすいかも?ちなみに横断道でケラマジマには会えませんでしたが、普通の一般道で何度か遭遇しました(普通は逆ですよね)。
慶留間島横断道まとめ
ってことで、無事に?慶留間島の山を丸々横断した次第です。しかし問題は阿嘉大橋側の入口に置いた自転車。取りに戻らなければなりません。といっても横断道を経由しなくても、海側の一般道を通れば行けますので、あの山をまた登る必要はありません。
といってもその道のりは、横断道を経由しても海側の一般道を経由しても「約1.5km」。かなり遠いです。ランニングシューズを履いていればなんでもない距離ですが、マリンシューズで1.5kmはかなりきついです(/_;)

ちなみに慶留間集落側からだと横断道入口こんな感じになっています。海側の一般道とは別に、山側へ伸びているのが横断道です。まぁこの光景を見て、左側に行こうと思う人はいないと思いますし、おすすめもいたしません(笑)。また集落側にはもう1本、山側へ延びる道がありますが、こちらは高台にある「御嶽」へのものなので、先の横断道とは別物ですので注意しましょう。

慶留間島横断道の考察

阿嘉大橋側から見ると今回の横断道はこんな感じと想定されます。途中から景色が見えなくなったので、高台では尾根部分に入っていたんでしょうね。まさに山越えの登山道ですね。わかっていれば登らなかったことでしょう(今回の滞在は時間がなかったのでなおさら)。

慶留間大橋から見るとこんな感じ。旧道側です。こちらは常に景色が開けていたので、山の尾根を登って行ったのかと思います。ちなみにこの横断道は、いうなれば阿嘉集落と慶留間集落をつなぐもので、昔からあったのかもしれません。でも海側の一般道が開通してからはほとんど使われなくなったのでしょうね。ただし、ここ最近の台風の巨大化によって、高波で海側の一般道が何度も破壊。その都度通行不能になり、慶留間島の人の生活に支障が出てしまい、この旧道が見直されて再整備されたのかもしれません。
現に海側の一般道は、去年の台風の影響が今なお残っていて、半年以上経過しているのに、一部で通行しにくい状態です。なのでこの慶留間島横断道は単なる横断道ではなく、災害時の貴重な道ということになるのかと思います。

しかし、この横断道は特に夏場は登らないことがおすすめです。一応、常にランニングをしており、登山にも長けている方の私でも、ここは二度と行きたくない!と思えるレベルでした。まぁ冬など運動目的で来島するなら登っても良いですが、夏場はもう嫌です(笑)。
なにせ後で調べたらこの横断道。最も高い場所の標高は首里城と同じ「約120m」。しかも海の近くから登るので、まるまるこの標高差を登ることになります。金城の石畳が標高差100mを500mの道のりで登りますが、それに匹敵する勾配が約1.5倍長く続くことになります。
「絶対登るなよ!(上島竜兵調w)」って感じですが、ついつい登りたくなる道。でも登ったら最後です。引き返せません。特に夏場はかなりヤバイので、チャレンジするにしてもオフシーズンがおすすめです。でも冬でもあまりおすすめではないですが・・・。あくまで島の非常時に使う道と思うこととしましょう!
またこの山道も含めた慶留間島ガイドが公開されましたので、こちらも参考にしてみてください。
慶留間島横断道の詳細情報
- 経路:阿嘉大橋〜慶留間集落入口
- 距離:片道約1.5km(登りが半分とすると120m/750mの1/6勾配)
- 高低差:約120m(35階建てマンション相当)
- 設備:休憩所x1ヶ所のみ(案内無し/街灯無し)
posted by 離島ドットコム管理人 at 11:28
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