「2015年1月31日午後4時」。
宮古島と伊良部島を結ぶ無料で渡ることが出来る日本最長の橋の一般通行が可能になりました。
・・・というニュースは既にお伝えしているので、今回は概要などは省略させていただき、早速その伊良部大橋を渡ったレポートをしたいと思います。
もちろん・・・自力です(笑)。車やバイクではなく自分の力だけで渡ってきました。しかも往復。加えて渡った時期は冬の沖縄の気候に戻ったタイミングで北風が強く、伊良部大橋からするとモロに横風だったので大変でしたが、まぁなんとか無事に渡りきりました^^v
ちなみに最初の写真は来間島の竜宮展望台から見た来間大橋・・・ではなく、伊良部島の牧山展望台から見た伊良部大橋ですが、ほとんど来間島から見た景色と同じですね〜。
あと事前情報で知っていましたが、この伊良部大橋には歩道が無く、路側帯があるのみで、しかも車道と路側帯との間に反射板(兼はみ出し警告突起)があるだけで、自力移動の人にはものすごい恐怖。しかも大橋からの景色で脇見運転しやすいことも含めると、いつか事故が起きそうな気が・・・(自力防衛するにも避けることは橋から転落することを意味するので難しい)。
歩道も幅が1.2mぐらいあるものの、すれ違う際は車道にはみ出す可能性がある程度。一応、大橋の左右両方に同じ幅の路側帯がありますが、逆に分けたことによって狭くなりますからね。池間大橋や来間大橋のように歩道は片方だけにするものの段差もある明確な歩道が欲しかったものです。そうすれば歩道も片方だけで済むので大橋の幅も少し狭くでき、結果、橋の総工事面積はかなり減ったと思います。確かに歩道分の重さを減らしたいのはわかりますが、でも歩道を造っても片方だけにすれば橋全体の重さはむしろ軽くなると思いますし歩道の縁石だけでもあれば良かったのに・・・(左右のバランスの話もあると思いますが・・・)。
そもそもこの路側帯は明らかに「違法駐車」を助長するだけなので、自力移動の人だけじゃ無く車で通行する人にも問題になると思います。
それと気になるのが車と歩行者との事故だけじゃなく、宮古島トライアスロンのコースに2015年からこの伊良部大橋もなりますが、そのレース中の選手と観戦者との接触も気になります。段差が無いから先の車と歩行者以上に接触がありそう・・・しかも大橋開通に伴い船便がなくなるので、伊良部島と宮古島を往来するのにこの橋は必須なので、トライアスロンで通行止めにすることはできませんからね。
さてどうなることやら・・・(せめて車止めのソフトポストぐらい立てて欲しい)。
それはさておきまずは宮古島と伊良部島のお互いの伊良部大橋接合部分をチェック。橋の入口部分には名称や竣工年月が彫られた石碑がありますが、まず宮古島側には「伊良部大橋」と漢字で彫られていて、伊良部島側には「いらぶおおはし」と平仮名で彫られていました。
そして宮古島側には「平良下地島空港線」と彫られていて、この「空港線」の意味がイマイチ分かりませんでした。多分既存の「下地島空港佐良浜線」と接続するからこういう名前になっているのかもしれませんが、道の名前に「伊良部」が無いのが寂しいですね。
あと伊良部島側には「平成27年1月竣工」と彫られていて、これで橋の入口両側の4ヶ所の石碑になっている感じです。
ちなみに橋の入口からは宮古島側も伊良部島側も海に降りることが出来る階段がありますが、宮古島側は実質海までは降りることが出来る防波堤まで。伊良部島側はそのまま「長山の浜」というビーチに降りることができ、そのビーチへの降り方ならびに橋の規模からしても古宇利島と全く同じ雰囲気。多分、この長山の浜も古宇利ビーチのような日帰り観光客でごった返すんだろうな〜。でも伊良部大橋の入口には宮古島側も伊良部島側も十分な駐車スペースが今のところ無いので、今後の路上駐車なども懸念されます。
といってもまだ両方の島の橋の入口近くは整備中なので今後はそういったことも含めて整備されるんでしょうね。ただあまりに伊良部島側のその光景が古宇利島に近かったので、伊良部島が古宇利島化しそうでちょっと心配です(カフェだらけで日帰り素通り観光客ばかり)。
そして橋へ。まずは宮古島側から。
伊良部大橋の構成は宮古島側は平坦な部分が多く、伊良部島側へ行くと大きなアーチを描いてその下を船舶が通れるようになっています。なので宮古島側から行くと多少のアップダウンはありますがしばらくは平坦って感じかな?
ただこの伊良部大橋は東西方向を繋ぐ橋なので、南北方向に吹きさらしになってしまい、とにかく橋を通行すると横風が猛烈。特に冬場の北風はかなりのもので、今回の開通直後も冬なので池間島側(北側)からの風が強烈でした。他の来間大橋や池間大橋は南北を結ぶ橋なので追い風か向かい風かになるのですが、伊良部大橋は常に横風になりそうですね。車やバイクの運転もさることながら自力で渡るにはこの風はかなり厄介かもしれません。
あとしっかりとした手すりがありますが、この手すりはちょっと注意が必要。というのもアルミの手すりなので見た目は錆びたように見えませんが、アルミって実は錆びるんですよね。鉄のように赤色にはならず黒ずみになるので見た目はグレーがかったようにしか見えないのでわかりませんが、手すりに触ったりすると手が真っ黒になります。っていうか真っ黒になっちゃいました^^ゞ
あと大橋からの海の色は宮古島側の方が浅瀬なのか圧倒的にキレイでしたね。曇っていてもあの色はなかなか。もちろん晴れれば伊良部島側の海の色ももっとキレイになると思います。気になる「黄昏れシーサー(笑)」は確認できる範囲では配置されていませんでした。あれは来間大橋限定かな〜?なにせ伊良部大橋の最高部の構造が他の部分とは違っていてそういうものを設置できないようなものでしたし、何より歩道が無いから来間大橋や池間大橋のように展望スペース的なものが橋に無い。
反面、待避スペースがありますがそれが完全に路駐&展望スペース扱いになっていましたね。橋の上はどこであっても「駐停車禁止」のはずなのに、あんな待避スペースを設けたら「駐車してください」と言わんばかりですからね。ちなみにその待避スペースは宮古島側には無く、橋の最高部を通過して伊良部島側に4、5ヶ所あったかな?なんで伊良部島側だけに集中して設置されたか理解できませんが、他の来間大橋にも池間大橋にもなかったので必要なのか否か疑問です。
そして今度は伊良部島側から宮古島側へ。
伊良部島側からは序盤は海を埋め立てた「海中道路」なのであくまで島の道の延長線って感じです。そしてすぐに橋の最高部に向けた上りになっています。その最高部からは伊良部大橋全景を望むような景観が得られ、その先に宮古島側の浅瀬が望める感じです。伊良部島側から見ると大橋の長さを実感できますね。まさに海の上を走る道って感じでこちら側からの方が景色としては良いかもしれませんね。
しかしなんで伊良部島側だけ待避スペースがいっぱいあって宮古島側には無いのか謎ですね・・・
そしてその待避スペース。早速行ったときは路駐車両だらけでした。もちろん橋の上は「駐停車禁止」の標識もありましたが、あの空間は誰が見ても「ここに車を停めてください」と言わんばかり。しかも待避スペースならまだしも、当初から懸念していた待避スペースが無い場所でも平然と違法駐車をしている輩がいましたね。しかも待避スペースが多い伊良部島側で・・・
こういう迷惑駐車をする輩が出るから今回のような路側帯のみの道は止めて欲しかったものです。おかげでさっそくその車両で車の通行が滞っていましたよ。まわに「迷惑」の一言です。
あと気になったのが宮古島から伊良部島側へ行って大橋を渡りきると島の道にぶつかるT字路になるのですが、そのT字路に一切の案内板が無いこと。なので島に入っても左右のどっちに行って良いか分からない人ばかりで橋の伊良部島側は大渋滞。分かる人には分かると思いますが、右が「佐良浜」で左が「下地島」や「伊良部町集落」なんですが、それが一切書いていませんのでどっちに行って良いかわかりませんよね。
しかも何故か何も無い佐良浜側へ行く人が多く、集落やお店が多い伊良部町側に行く人が少なかったです。特に佐良浜側へ行くと集落の小さな道に入り込む可能性があるので、正直あまり右には行かない方が良いような気がします。左なら単純に渡口に浜へ行くか伊良部町集落へ行くかって感じですからね。なので伊良部島側に案内的要素を設けないとこの渋滞はさらにひどくなりそうですね。
それと伊良部大橋を渡ってくる車のナンバーをチェックしていましたが、以外と「わ」ナンバーことレンタカーが少なく、圧倒的に「沖縄」ナンバーが多かったです。もしかすると橋がつながる前は船でわざわざ伊良部島まで行ったことが無い宮古島住民が大量に押し寄せたのかもしれません。その証拠に伊良部島のカフェなどのお店は素通りしてただただ島を一周して宮古に戻るって感じ。カフェはガラガラでした。
あと気になるのが今まで島の道を通ることが無かった大型ダンプや大型トレーラーが宮古から伊良部に大橋経由で渡ってきていること。一見、車で物資を運べるから良いじゃないか?って思われるかもしれませんが、これまで想定していなかった重量級の車が多数通ると、おそらく島の道路舗装はあっという間に破損してしまうと思います。つまり大橋の維持管理だけじゃ無く、伊良部島の維持管理にも今まで以上の膨大な費用がかかると言うこと。
もちろん普通の車の交通量が増えるだけでも道路の破損が懸念されますが、そこにあの大型トレーラーなどが重なると多分あっという間に舗装が破損すると思います。
何につけても伊良部大橋はお金がかかりそうですね。橋だけじゃ無く箱ものもそうですが、造る以上に維持管理にお金がかかりますからね。池間島と来間島は伊良部島ほど大型車両が島に入ることは無いですが、伊良部島に関しては空港・製糖工場・港と大型車両が入る可能性が高いので、個人的にはこの島の道の破損が一番気になりました。
はたしてその補修費以上の経済効果があるか否か?あと素通りされる島にならないことを願うばかりです。
どうしても古宇利島のような感じになりそうで気になります。日中だけ車や人が多くて夜は閑散としている状態に・・・
とにもかくにも2015年1月31日。伊良部大橋が開通しましたが、問題は今後の自治体の取り組みとあと島の人の取り組み次第ですね。活かすも殺すも。
個人的には今回のように自力で島へ渡れるので伊良部島に宿泊しやすくなると考えますが、多くの方は宮古島に泊まって伊良部は日帰りという感覚になるんでしょうね。宮古島の方が便利ですし宿も多いのでどうしてもそういう発想になってしまうと思います。
伊良部島の人の生活はとても便利になると思いますが、伊良部島そのものの経済にはどっちに転がるか微妙なところ。
とりあえず最初は物珍しさもあって交通量が多かったですが、今後落ち着いたあとはどうなるか・・・
しばらく見守っています。
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2015年02月07日
【伊良部島&宮古島】伊良部大橋レポート。自力で渡ってきました^^ゞ
posted by 離島ドットコム管理人 at 16:00
| 宮古エリア