
波照間海運時代の船を安栄観光が引き継ぎ運行していた石垣島と波照間島を往来するカーフェリー「フェリーはてるま」。しかし引き継いだフェリーはかなり古く、特に2階部分の座敷席の天井の低さは、今まで乗ったフェリーの中でも最少。大人の男性だと首を曲げないと移動ができない低さでした(基本座っているだけなので乗っちゃえば気になりませんが…)。

そもそも波照間海運のものをそのまま引き継いだだけなので、安栄観光としてはいろいろ我慢して使っている部分もあったのでしょうが、その船もよーやく新しいものに更新。といっても新造船ではなく中古の船をリニューアルして使っているだけなんですが、船内は以前のフェリーはてるまとは「雲泥の差」と言い切れるぐらい快適になっていました!
その名も「フェリーはてるま2」。
詳細レポートいたします。
フェリーはてるま船体比較(新・旧)


新造船ではないけど新しくなった「フェリーはてるま2」。しかし新らしさ以上に明確な違いがありました。船首を見ると一般的なフェリーと「フェリーはてるま2」はなんか違いますよね。通常はかなり鋭角なシルエットなのですが、フェリーはてるま2は鋭さが全くありません。
真横からだと一般的なフェリーと違うことが明確

真横から見ると明確。鋭さがないばかりか、逆に壁のようになっている船首。波が高い波照間海域だからなの?って新造船じゃないのでそんな訳はありませんが、おそらく荒れた海域に適した船体がこれだったのかもしれませんね。
カーフェリーなので後部にハッチあり

そして船尾にはカーフェリーなのでハッチあり。車両などは通常通り後ろから乗り込みます。こちらは一般的なフェリーと同じ造りでした。
船内比較/屋外デッキ(新・旧)


そして乗船。まずは「甲板」こと屋外デッキスペース。といっても大型船ではないのでデッキもそれほど広くはありませんが、今まではベンチのみだったデッキも、テーブル付きのものになっていました。慶良間へのフェリーでも最近はこのテーブル付きのものが多いですよね。ただフェリーはてるま2のテーブル席は日なたになりますし、風も猛烈で波もかかりそうだったので、居心地はあまり良くはなかったです。
船内比較/椅子席(新・旧)


そして船内。これまでのフェリーはてるまとはまさに雲泥の差でした。座敷席は船首側にあるものの、通常のフェリーのように左右に分かれていて天井も十分。そして椅子席は2本通路構成。通路に挟まれた揺れが少ない真ん中席があるのが良いですね。そして船尾側にはなんとソファ席!
新フェリーにはソファ席あり


ソファ席は先着2組限定。船首に向かって左側にはテーブル付きのソファ席で、右側には横にもなれるベンチ的なソファ席になっています。個人的には左側のテーブル席で、進行方向に向かって座ることができる席が最高でしたね。ちなみにベンチタイプのソファ席には寝転がっている人もいましたが、揺れが激しいらしくすぐにどこかへ行ってしまいました。まぁ寝転がるなら座敷席の方が快適ですしね。
フェリーのメリット

ちなみにフェリーだと、石垣島から波照間島まで約2時間半(公称2時間15分もまず無理)。ただ高速艇でも大型タイプだと最近は1時間半もかかるのでその差わずか「1時間」とそんなに大きな違いは無いと思います。なによりフェリーなら乗船中に船外に出ることができますので、のんびり景色を楽しみながら島まで往来できるのがメリット。徐々に近づく島影を見ていれば時間なんてあっという間です。

ただフェリーだと週3〜4便で1日1往復。日帰りもできないこともないですが、島滞在が2時間程度となって波照間島をいろいろ楽しむには少々時間が足りません。さらに以前は片道料金が「高速艇3000円/フェリー1500円」と倍も違いがあったのでフェリーのメリットもありましたが、今は「高速艇4000円/フェリー2500円」になりますが、高速艇は予約割引もあって実際は「高速艇3600円/フェリー2500円」。フェリーと高速艇とでは1000円しか変わらないんですよね。
なので今回は行きはフェリーで帰りは高速艇という、運賃を安く抑えつつ島滞在時間も増やす方法で波照間島往来。いつもは往復フェリーで足早に島巡りしていましたが、今回はのんびり島を楽しむことができました。
しかし帰りの高速艇超混雑(予約していたので個人的には無問題)。その理由はこの日の夜以降、海は大シケ。翌日以降の欠航を懸念して帰りの高速艇は超混雑した次第です。そしてその翌日以降は全便欠航。個人的にもこの日に行くか翌日に行くか悩んでいただけに、この日にして良かったです。。。